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ホーム新工場建設プロジェクト【第5話】「デザインシステム」で想いを世界に伝える

【第5話】「デザインシステム」で想いを世界に伝える

2017-07-28

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1か月を費やした建屋の骨格をなす鉄骨の設置も大きなトラブルなく終わり、いよいよ工場の構造が出来上がった。
天候によって進捗が大きく左右され、難易度が高いとも言われている躯体の組み上げが終わり、現場監督の伊藤雄之介氏(谷津建設/一級建築士)は次のように語る。
「建設の大きなヤマを越えて正直ほっとしました。この後は床のコンクリート工事と外壁、そしていよいよ工場の内部への着手です。プロジェクトを共に進めているスタッフや天候に恵まれ、昨今でも稀に見る順調な進行。今後大きな台風に襲われるといったことがない限り、お約束をしている10月末の竣工に間に合うのではないかと予測しています」。

「順調すぎて怖いくらい」と話す伊藤氏に、現場での「困ったこと」をあえて聞いてみたところ出てきた答えが「丹沢から吹く風」。
強い風が吹くと現場に砂が舞うので、作業するスタッフが少し大変そうというのがその理由だ。なるほど、こういった共に働くスタッフへの細やかな目線があるからこそ、大所帯の現場は大きなトラブルなく今日も動いているのだろうと感じた。 工事開始から今まで「無事故記録」も更新中とのこと、これからも安全第一で進めていただければと心から願っている。

今月初め、これから本格化する外装・内装工事に向けて、関連各所のプロフェッショナルたちが新工場の建設現場にある事務所に集まった。
打ち合わせでは、外壁に掲げられるシンボルマークについて大半の時間が費やされた。神奈川県の条例では、高さ10m以上に掲示するサインや看板の総面積が10㎡以内に収めることが義務付けられている。その諸条件を考慮に入れながら、計画は慎重に進められているようだ。 外壁のシンボルマークには、「MIZUKI」のロゴが掲示される。打ち合わせの中で、我が社のロゴがどのようにしてデザインされたのか、そこにどのような想いが込められているのかを共有される時間があり、とても印象的であった。

シンボルマークは誰のためのものか

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打ち合わせ冒頭、社長の水木がこう口火を切った。
「最初は単に社屋に入る人に社名を見てもらえればいいと思い、外壁につける社名のシンボルマークの設置位置を出入り口の真上、つまり高速道路とは反対側に取りつけようと計画していた。 しかし、新工場は東名高速道路に面しており、打ち合わせの行き来で実際に現場近くを車で通ると、あらためてよい立地に恵まれた工場であることが感じられる。そのたびに、私たちのお客様は会社の入り口をくぐる方だけではなく、ここを行き来する日本、いや世界の方々でもあると感じるようになった。今一度新工場が目指す「世界」を見据え、シンボルマークの設置位置についてプロの皆さんと相談したく、本日打ち合わせを設けさせてもらった」

今回の打ち合わせの参加者は、当社代表の水木太一、ブランドデザイナーの佐野彰彦氏(株式会社それからデザイン代表)、建築士の向山孝一氏(株式会社イヅミ建築設計事務所)、現場監督の伊藤雄之介氏、サイン施工の出井剛史氏(グロリア・アーツ株式会社)の5名。

MIZUKIのブランディングとデザインを統括する佐野氏から今一度関係者と共有したいと次のような話があった。
「新工場のサイン計画の目的は、MIZUKIのブランドコンセプトである『日本発、世界に通用する部品メーカー』を体現することです。よって、シンボルマークの設置も含め、サイン計画全体を単なる“オシャレ化計画”ではなく、お客様、協力会社様、そして共に働く仲間、地域、社内外に強く正しくMIZUKIからのメッセージを感じてもらえるような工夫をしていきたいと思っています」

「外壁看板の取り付けは、目立てばそれでよし」
どこかでそう思っていたが、実際には「誰に向けたシンボルマークなのか」といった根本をとらえる必要があることや規制を遵守しながら「最適な見せ方とはどんなものなのか」といったことまで、さまざまな角度から検討がされている現場に立ち会い、サイン計画について時間をかけて検討する意味やその意図することが分かってきた。

「デザインシステム」で想いを世界に伝える

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佐野氏の発言を受け、設計やデザインのプロたちは、条例の規制がある中でいかに効果的にシンボルマークを配していくかを検討。
「現在の壁面積から考えると、外壁に取り付けられる社名の一文字の大きさは、最大でもだいたいこの程度ですね」と伊藤氏が、真四角のパネル板を会議室に持ち込んできた。

会議室で目近にパネルを見ると大きく見えるが、実際に東名高速道路の車内から見たときはどうかなど、可読性なども検討しながらの打ち合わせが続いた。
また、大きさの他にも、はじめて当社へ訪問される方が駅方面から来た場合はどこにサインが設置されていると分かりやすいのか、周辺の景観とのバランスはどうかなど、実に細やかな議論がなされていった。

今回、新工場のシンボルマークになるMIZUKIのロゴは、2014年に佐野氏がデザインを手掛けたものだ。同氏より当社のブランドデザインについて、あらためて新工場建設のプロジェクトメンバーに対し資料の提示があった。佐野氏の許可をいただき、今回はそのブランドデザインに関する資料の一部をご紹介する。

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「ブランディングで最も大切なことは、想いです。何のために存在し、何を目指しているのかを明確にして、デザインという形で可視化することが、私の考えるブランドデザインです。デザインは最終的には色や形として『見えるもの』になりますが、その背景に企業の想いがなければデザインは形式的なものになり、ブランドにはなりません。MIZUKIの想いは、『国内外からありがとうを集める』こと、そして目指すのは『世界に通用する部品メーカー』です。
それを実現するために必要なものは、“つながり”です。MIZUKIのロゴには、人と人とのつながり、国と国とのつながりが示されています。また、デザインシステムという考え方を導入しており、A〜Zまでのアルファベットを太い書体で定義しています。ロゴだけではなく、 印刷物などの平面からサインなどの立体的なものまでの展開を想定しており、統一されたデザインをつくることが可能です」

今回の打ち合わせでは、外壁に設置されるシンボルマーク以外にも、「トイレ」「エレベーター」「立入禁止」など、工場施設内のあらゆる表示について、デザインシステムの考え方のもと、サイン計画の進め方についても確認が行われた。

世界中のありがとうを集める会社を目指して

連載第4話「はばたく中小企業・小規模事業者300社を受賞して 」では、受賞を記念して関係者へプレゼントする品をつくる計画があることをお伝えした。その記念品が完成したので、ここでご紹介したいと思う。

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これは、オリジナルデザインのコーヒータンブラー。このデザインも佐野氏が手掛けたものだ。ラベル部分のデザインは、前述で紹介した書体が使用されている。よく見ると「THANK YOU」「DANKE」「GRACIAS」…という文字が並んでおり、世界各国の言葉で「ありがとう」を表している。そして、最後の一行は、「ARIGATO FROM MIZUKI」で締めくくられている。まさに、私たちが目指す「世界中のありがとうを集める」というメッセージが込められたデザインだ。

“デザインシステム”で「ありがとう」を世界に届けていく─。その一つの事例を手にし、これから進んでいくサイン計画について、とても楽しみになった。そして、私たち自身もシンボルマークに込められた想いを表現できる存在でありたいと強く思った。

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